欅坂46『Live Online,but with YOU!』に見たもの(PART 2)
2曲目終了、暗転。
そして欅のイメージに合う荘厳なBGMとともに、大きなスクリーンに映像が映し出される。
それは近現代の発展による無機性と時の流れの速さを表現するかのような、都市の夜景を基調とした映像である。知らんけど。
2曲目とはまた異なる場所だ。
そしてそのスクリーンの前には、これも無機質な骨組み上の足場が3段。
規則的に並んでいくメンバーのシルエットが見える。1段あたり7名。
そしてスクリーンにはあの楽曲のタイトル文字。
3.東京タワーはどこから見える?
改めて思う。多人数のグループはこういう演出が出来るところが面白い。
メンバーを下から強く照らすライト。美意識が高い人は、本来この照らし方を嫌がりそう…。
間奏中、上村のみに寄ったカット。
尺が意外に長いなと思っていると、カメラが切り替わり、全体が映ったと思ったら、2段目の中央にその上村を残し他のメンバーの姿が無くなっている。
ほどなくして他のメンバーたちが再登場。
先ほどと異なるフォーメーション。
楽曲の最後、スクリーンには東京タワーを中央に位置させた夜景が映し出され、その東京タワーの形に沿うようにメンバーたちが並び、3曲目終了。
暗転。
…
懐中電灯を手にするメンバーたちの姿が見えだす。
そして流れ出す小気味よいBGM。
これはおそらく“あの”楽曲のベーストラック。
懐中電灯を照らしながらメンバーたちはどこかへ移動していく。
やはり大きな倉庫、あるいは施設のようなロケーションだ。
急ぎ足で移動して行くメンバーたち。
すると、教室のようなセットが3つ組まれている場所にやってきた。
スタンダードな教室と音楽室と理科室だろうか。
音楽室と理科室が前後に斜めの位置で組まれ、一段高いところにスタンダードな教室が組まれている。
暗いままの各教室をメンバーが数人ごとに懐中電灯を照らしながら何かを探しているようである。
それが望みのものでなかったのか、森田が大きな封筒を破り捨てる。
“あの”BGMは流れたまま。
そんな風景を複数のスポットライトが点灯と消灯を繰り返して照らす。
やがて花瓶を落としたことをきっかけにそれに注目するように全員の動きが止まる。
BGMは止まない。
そして、歪んだ音の“あの”リフから全員が懐中電灯を持ちながらパフォーマンスを始める。
4.student dance
ストロボ照明の中、ダンスするメンバーたち。
イントロ後、各人様々な行動をとる。
東京ドームのライブでの同楽曲のパフォーマンスを思い出す。
サビになると全員同じ振りを踊り出す。
1サビ後、再び各人様々な行動をとる。
中でも1ショットの山﨑がスマホを触りながら次第にゆっくりとカメラ目線になるのが印象的。
理佐がセット外に椅子を投げ壊す。
花壇の花をむしり取る、齋藤/小林/小池/森田。
表出される破壊衝動。いいぞもっとやれ。
石森/小池/小林/齋藤/森田(森田真ん中)が間奏のダンス。ストロボ。まぶしい。直視が怖い。部屋の照明消して観ているもんで。
間奏ダンス中、他のメンバーがセット内外にA4用紙をばら撒く。ささやかで面倒くさい破壊衝動。
『けやかけ』やラジオなどでのイメージからは想像し難いが、ライブでの小池は表現力が高い。ここでもそれが垣間見られる。
そして踊るメンバーをスマホで周囲から撮影しだすのは森田。
やがて4曲目終了。
…と思うや再び同楽曲のベーストラックが流れ出し、音楽室に切り替わり。
そこには懐中電灯を持った6名のメンバー。おそらく新2期生。
その室内の壁に掛けられた長方形の小さめの額縁にカメラは寄っていく。
額縁の中には光沢のあるオレンジ色の布が見える。
寄り切ったところで額縁がフェイドアウトして、それに似た額縁のように四方を縁取られた舞台があらわれる。
それと共に音が流れ出す。
5.Nobody
音楽室の額縁同様にオレンジ色の布が下げられており、踊るメンバーたちのシルエットが映っている。
ここでは部屋のようなスペースが4つあって1つはトリック部屋となっており、各部屋で数人ごとにパフォーマンスしている。
ここでも演出が面白いのはさることながら、ハッとした。
さすがの資金力。
ここまで振り返ってみても、今回の配信ライブの舞台美術への金の掛け方が凄い。
部屋は4つ横並びだったことが分かる。
その前でパフォーマンスするメンバーたち
やがて真ん中の小林を残し、メンバーたちは左右にそれぞれその場から次第に去っていく。
1人でリズムを刻む小林。
カメラが寄っていくとそれとすれ違うかたちで小林も姿を消す。
音が止む。
カメラが左にぐるっと大きくパン。
と共に殺風景なスペースにメンバーたちが集まっている様子が。
そして音が鳴りだす。
6.アンビバレント
センター小池。
殺風景ながら激しいライトの演出。
かなりスペースを広く使ってのパフォーマンス。
ともかくここはほぼ小池の独壇場。
小池の長尺のソロパフォーマンス中、他のメンバーは約25m後方で踊っているシーンが印象的。
4曲目の『student dance』でも垣間見られたが、『けやかけ』やラジオなどでは、声も含めて可愛らしい雰囲気が印象的な彼女だが、ライブでは目を見張る表情や仕草を見せることがしばしばあり、それがここでも如何なく発揮されている。
それは単に技術に任せたパフォーマンスではない。小池美波という名の「妖艶さを帯びた軽やかな風」がそこに吹くかのようなのだ。知らんけど。
で、個人的に欅坂46の楽曲ではこの『アンビバレント』が一番好きだ。
ライブなどでは観られるが、MVではおそらく確認できない、この楽曲での好きな振付けを少し挙げたい。
「引きこもっていたいのに」で1列に並び、先頭のメンバー(今回は小池)にすぐ後ろの土生が後ろから抱きつき、「青空の下」でその抱きついた状態から急速に右に倒れこむ、この「静から動」の土生の身体移動を観るのが好きだ。
また、この楽曲には、この楽曲までにリリースされた全てのシングルの振付けの一部を連続で行っていく振付けがある(MVではほとんど分からない)。それはこの楽曲がそれまでのシングルを包摂しているというか、集大成的というか、一線を画すようなそんな位置付けなのか、果たしてどういう意味が込められているのかと観るたびに思うのだ。どうなんですかTAKAHIRO先生っ!?
6曲目終了。
暗転。
…
画面には欅マークとともに「換気タイム」のテロップ。
そしてナレーションと共に今回のライブのリハーサル風景の写真のスライドショーが開始される。
写真に写るメンバーや振付け担当のTAKAHIROはじめスタッフは全てマスク姿だ。
この「換気タイム」は、一旦ライブを中断し、「ライブ会場」の換気作業をする時間であるとのこと。
ちなみにナレーションはメンバーによるものではない。プロのナレーターっぽい感じだ。
関係者全員の抗体検査、検温、換気、消毒やマスク着用など感染対策を徹底してリハーサルとライブを行ってきている。
久しぶりのライブが出来る喜びを感じている。
ライブが出来なかった期間は新たな一歩を踏み出すための準備期間だったのかもしれない。
(今回のコロナ禍により)世界が変わると共に新たな形で動き出す欅。
今回のライブは全メンバー、スタッフの健康状態は保障された上でやっている。
まだまだ感染は広がりを見せているので、欅と共に引き続き感染予防に取り組んでいきましょう。
おおよそこういった内容だった。尺は約3分間。
そしてこの後「インタラクティブタイム」なるものが始まるとのこと。
画面切替わり、4名のメンバー、尾関/原田/田村/藤吉の姿が。衣装は変わらず。
説明では、今回のライブには「インタラクティブシート」と称する、FC限定チケット購入者から抽選で選ばれた200名だか300名(どっちかよく分からなかった)の「観客席」があるとのこと。
そして状況としては4名の向かいに大きなモニターが2枚あり、モニター1枚当たり25名の計50名ほどの、その「観客」たちが『ZOOM』の画面のような分割状態で映し出されている。
で、正確にはこれは『ZOOM』ではなく、『Cisco webex meeting』というオンライン会議ソフトらしい。
また、この「観客」、つまりファンたちだが、200名だか300名なので、ちょくちょくこの分割画面に表示されるファンは入れ替わる。
ここでは、そのファンたちの内1名がランダムで選ばれ、その4名に対してその場で質問が出来るというコーナーのようだ。
そのやり取りが終われば、次の4名と交代。
2回目、上村/小池/梨加/理佐。3回目、石森/小林/齋藤/佐藤。4回目、菅井/井上/関/武元。
いずれも無難な質問と答え。まぁ当然か。いや、これは何よりも、握手会など、直接会って話す機会がなかなか取れないファンやメンバーにとって貴重な時間なのだ、きっと。知らんけど。私は「アイドル」の握手会には興味がないもんで。
ちなみに各回、4名の内の1名がスマホで他のメンバーを動画撮影。それがモニターの分割画面の1つに表示されていた模様。
そして最後に新2期生6名が自己紹介。
「インタラクティブタイム」終了。尺は約17分間。
暗転。
1つの炎がアップで映し出される。
そのしばらくのち、掲げられていた幕が下りた。
7.大人は信じてくれない
いくつもの炎が整然と配置されているステージ。
ステージ後方から歩いてくるメンバーたち。
メンバーたちが通り過ぎた後に降ろされる金網。
ミリタリーコートっぽい衣装に変更されている。これは避雷…。
センター山﨑。
炎が折に触れ吹き上がる。
ステージ真正面、少し下から見上げるように寄っていく画に迫力がある。
ここでも山﨑、最後の最後のアップで左口角を少し上げる不敵な微笑。
暗転。
青い照明。聞こえてくる雷音。雨音。
8.避雷針
ステージに立つメンバーたち。ステージの真正面、少し離れたところでステージに向かって立つ1名。
後姿からするにおそらく理佐。
メンバーが順にステージから2列で降り、その1名を挟んで通り過ぎて行く。
最後の2名がその1名の両腕を引いて歩く。やはり理佐だった。理佐は後ろ向きのまま引かれ、次の場所へ移動。
移動距離は少し長い。
たどり着いたのは四角形のステージ。
そしてステージの四方を取り囲んで雨のように水が降っている。
センター理佐。
正面に振っている水をスクリーンにして歌詞が映し出される。
途中、飛びつく理佐は(おそらく)菅井が受け止める。
歌詞の文字数の多さと四分打ちに特徴的なベースラインのアレンジ、陰鬱なのに聴いていて高揚感を感じる、特に“欅っぽい”楽曲のひとつだ。それに今回は正面に振っている水をスクリーンにしていることで、幻想的なヴィジュアルが加わり、より引き込まれる。
7曲目の「炎」から「雷」、そして「雨」。
人間が生きていく上で避けては通れない「不穏性」を自然現象になぞらえているかのようである。
知らんけど。
最後、メンバーの姿が消えたステージ、件の水のスクリーンに歌詞の最後のフレーズ、「愛の避雷針」の文字が大きく映し出される。
楽曲タイトルの『避雷針』ではなく、歌詞最後の「愛の避雷針」を映しているあたり…めちゃめちゃカッコええやないかっ!
8曲目終了。
画面切替わり。
映る場所は先程の8曲目と同じステージ。
真上からのスポットライトのもと、小林が1人。
音と共に小林が葉っぱをひと吹き。
トゥルッ⤵トゥットゥー、トゥルッ⤴トゥットゥー
9.風に吹かれても
再び画面切替わり。
MVを再現したような大きなコンテナのセットをバックに踊るメンバーたち。
上から数本の花火の特効が噴き出す。
センター小林合流。
顔を寄せ合い抱き合い、カメラに目線を送る上村と齋藤。
尾関の満面の笑みも印象的。
楽曲終盤、二段に足場が組まれた、バックのコンテナのセットの上にもメンバーが並び踊る。
MVの再現。
それはそうと、センターが小林の時に思うことなのだが、私には踊る小林の周りに台風の目のような左巻きの渦が見える気がするのだ。なぜか右巻きじゃなく左巻きだ。それで、なんかそのままその渦に吸い込まれるかのように見入ってしまう。カメラワークによるところもあるだろうし、もちろん気のせいなんだろうけれど。
そんなこんなで9曲目終了。
暗転。
…
荘厳なBGM。
動く無数の青いスポットライト。
画面はほぼ青で染まっている。
カメラ切り替わり。
広いスペースにメンバー横一列。20名。
衣装は黒いハイネックのインナーに白いロンT、黒いスリムパンツ、黒いブーツ。これは見覚えが…
同じ歩調で前方に歩を進めるメンバーたち。そのテンポは速い。
特に小林の歩き方がカッコいい。上半身をひねって歩く感じ。想起する例としては…木村拓哉。
50mほど歩いた先にあるスペースで全員が長いコートのようなものを手にして、それをバサッと肩に掛ける。
カメラはその光景全体を映すように引きの画角なのではっきりとは分からない。
メンバーが更に奥へ歩を進める。
そこを複数のスポットライトが集中的に照らす。
そしてストロボ。
カメラ切り替わり。
メンバー数人に寄った画。
各自、黒いコートを翻すように着用。その動作に合わせてSE(バァーン)が鳴る。
異なる数人にカメラ切り替わり。
同様に黒いコート着用。バァーン。
更に異なる数人に切り替わり。黒いコート着用。バァーン。
最後に小林が真後ろに振り返りながらコート着用。バァーン。小林アップ。
カメラ切り替わり。
集まるメンバーたちの正面。
小林のコートのみ、えんじ色。コートのタイプは全員MA-1ロング。
中央の小林がカメラに向かって激しい前蹴り一発。
全員顔を下に向け片膝を地面に付きしゃがむ。
オオッオッオオーオオッオッオオー
10.ガラスを割れ!
掛け声のHEY!は太い声がおそらく足されており、辺りに響き渡る。
センター小林。
私見だが、やはり特にセンターの時の小林はパフォーマンスの見せ方がいわゆるアイドルのそれではない。曲調や振付けやカメラワークによるところもあるだろうが、楽曲に合わせて踊るというよりも、楽曲が流れる場に身体を馴染ませ、その場を支配する印象だ。ここで改めてそれが感じられる。
そしてここではメンバー全員で広いスペースを存分に利用したパフォーマンスを展開。
間奏のパフォーマンス中に聞こえる掛け声(ウォイ!ウォイ!)。
俯瞰のカメラで場内が見渡せる。
現在は、これまでのセットに囲まれた中央の広いスペースでのパフォーマンスであることがわかる。
間奏後、広い場内の各地やこれまでのセットにメンバーたちが散らばり、そこで各自激しく身体を動かしている。
また件のコンテナにペンキを浴びせているメンバーがいたりなど、おそらく自分を映すカメラがスイッチングされているかも分からない中で各自が激しく表現している。
歌詞どおり「自由でいい 騒げ!」を体現しているかのようだ。
ラストは再び中央に集合。
カメラに向けられる小林の眼差しが強い。睨むというより、観ている者の魂(なんてものがあるとするならば)を直接凝視しているかのようだ。
10曲目終了。
暗転。
「ガラス」のスモークの残余と共に、大きなモニターに青白く「KEYAKIZAKA46」というロゴが大きく映し出されている。音は無く、静かだ。
暗転から約40秒後。スポットのもとに菅井を先頭に並ぶメンバーたちの姿。衣装はそのまま。
そして菅井が語り始めた。
PART3に続く。